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尾池のブルーマンデー憂さ晴らし
ヴァイオリニスト 尾池亜美
第79回
音楽の前向きな力とは
こんにちは! 憂さ晴らしのお時間です。
先週は久しぶりに学校へ訪問演奏して参りました。今回の編成はピアノトリオ。一番柔軟で自由のきく形でしょうか。
誘ってくれたのはチェリストの内田佳宏氏。2008年来、弦楽デュオ、カルテット、クインテットなど様々な室内楽をやらせてもらっています。
18歳でチェロを始めてチェリスト、編曲家、作曲家として活躍中という才能を持つ彼は、音楽へのこだわりが人一倍つよく、いつも音色や演奏、作り手としてのことなど話題が尽きません。
webサイトにこんな動画も。全部自分で弾いて録ったらしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=f1xaa79nBVQ
そして、そもそも私たちを招いてくださったのは、私の高校、大学の先輩であり、今回の訪問先の音楽の先生である、北澤郷子さん(先生)。
生徒たちのために何とかして生演奏を聞く機会を与えたいと、彼女自身で企画、準備をされ、私たちをぽん!と生徒たちの前に連れて来てくれたのです。こういった行動力を持ったひとには初めて出会いました。
山々のきれいな、上伊那農業高校でした。
そして東京へ戻り、今度は聴く側としてあるコンサートへ。
Enrico Onofri, エンリコ・オノフリというイタリアのバロック・ヴァイオリニスト、指揮者。彼は来日する際、「チパンゴ・コンソート」という日本人主体のバロック・グループと共演します。先日は彼らのオール・ヴィヴァルディの演奏を聴きました。
「四季」全曲と、「調和の霊感」や、他の協奏曲が数曲。あっという間に終わっていました。眠くなるどころか、どんどん目が冷めていく演奏。とにかく「春」が穏やかに、平和に、うっとりと始まった時には、驚きとニヤニヤを隠せませんでした。
オノフリ氏は、スキンヘッドにシルバーグレーのきれいなスーツというルックスも手伝ってか、悟りを開いているように見えました。笑 いや、本当なんです。全力で(でも力を抜いて)演奏するチパンゴ・コンソートの皆を率いて、信じる道を淡々と真摯に、いきいきと進んでいく姿は、まさに悟りの境地という感じでした。
ヴィヴァルディは、自然の美しさをそのまま音にしたような音楽ですから、彼らの演奏はただその美しい音楽のためだけに集中していました。自分のためだけでなく、人のためだけでもなく、勝ち負けの音楽でもない。「凄さ」を見せようと一切しないのに、こちらは、まるで大自然に畏怖を覚えるように圧倒されるのでした。
そんな演奏を聞いたあとは、元気いっぱい。改めて音楽の前向きな力を感じました。
オノフリ氏の演奏がどんなものか気になる方は、ちょっとコチラを。
https://www.youtube.com/watch?v=KcO5pSMFV6A
そして、ウェブサイトには彼が日本で行った公演のCDも。
http://homepage3.nifty.com/enricoonofri/disc.html
お陰様で良い日本滞在でした。
さあ、これから師走に向けて助走つけていきます!
皆さんも良い一週間を!
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