今日のグルーヴ〈383〉
いつの時代でも「最近の若者は…」と年配者が苦言を呈する。だいたいソクラテスの時代から、同じ事が言われているのである。
だいたい、苦言の内容は、常識が無いとか、教養が無いとか、礼儀がなっていないとか、といったものである。
だが「最近の若者は…」と言われた若者も、歳を重ねると「最近の若者は…」と言っているのである。
その伝で行くと、若者はソクラテスの時代から現代にかけて、相当レベルダウンしていることになるが、実際のところ、そうでもなさそうである。
私自身は、若い頃から、目上の人より、年下の人にいつも何かを教わってきたような気がする。今もそうである。
若い頃から、目上よりも、どちらかというと後輩にリスペクトする人が多かった。今もそうである。
もっと言えば、一回り以上年下の家内、そして、高校生や小学生の子供から教わることの方が多い。
音楽に関しては、音小から音大まで体験している家内から、相当なところ教わったりヒントを得たり、頭の中の整理を手伝ってもらったりしている。
また、ともするとシニカルやアイロニカルになりがちな時は、子供達の素直な性格に諭されることが度々ある。
くだらないと分かっていても、どうしても取り繕ったり、見栄を張ったりするのが人間である。ある部分は素直になれても、別の部分で素直になりきれなかったりする。素直な性格に見せかけるのは論外なほど下劣である。
結局、一生かけて、いかに素直な性格になるかを試されているような気がする。その点、最近の若者は、すでに素直である。