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今日のグルーヴ〈413〉

かつての巨人人気一強時代は、今は昔である。


プロ野球全体の繁栄を考えたときに、巨人人気一強というのは、それに逆行するだろう。


実際、かつて巨人のV9時代の頃、巨人戦以外は、観客の数が圧倒的に少なかった。


パ・リーグはもっと悲惨で、例えば、新聞のスポーツ欄の公式発表でも、今日は1500人の観客、とか書かれていたりしたが、実際は、もっと少ない、とおまけの記事までついていたものだ。


しかし、王や長嶋がいなくなり、ドラフトでいい選手が各チームに分散したりして、巨人人気一強時代というのは、いつの間にか、終わってしまった。


今や、どこの試合も、見た目は満員である。それは企業努力もあったに違いないが、何より大きな力を発揮したのは、メディアなのではないか。


テレビでの露出が多ければ、自然とファンは多くなる。どういうわけか、地上波で巨人戦が放映されなくなってしばらく経つが、そのために私は今巨人にどんな選手がいるのか、ほとんど知らない。


以前の巨人の選手で思い出すのは、中畑、原、松井、ラミレス、落合、清原、くらいで、ピッチャーとなると、江川くらいしか思い出せない。浦島太郎状態である。


BS等で放映されているのかもしれないが、私は契約していない。昔、契約していたが、今はやめた。見る時間もないが、受信料を払ってまで見たい番組もない。ゆえに巨人の選手に誰がいるのか、ほとんど知らない。


その代わり、横浜DeNAベイスターズの試合やソフトバンクの試合は、TVKや東京MXテレビで放映されているおかげで、選手の顔を覚えることができる。


かつてのテレビ全盛時代を思えば、テレビの凋落は甚だしいが、やはりメディアの力は大きい。腐っても地上波の力は大きい。


それにしても、これほど影響力を持つにもかかわらず、凋落し続けているテレビの将来はどうなるのか。


尤も、そのおかげで、お笑い芸人が数多く登場するチャンスを得られたのであるから、皮肉な話である。


かつて、絶対と思われたLPがなくなり、CDも凋落し、インターネットが席巻している現状を見れば、絶対的なものの存続ということ自体に期待を持てなくなった今、テレビ自体の存続も危ぶまれるのではないか。なくならないにしても淘汰されるのではないか。


洞察が思わぬ方向に行ってしまったが、巨人は永久に不滅です、という言葉が空しく思い出される。

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